ここでは、産業廃棄物の種類や焼却炉設置申請の概要、廃棄物の種類ごとに必要な焼却炉、各焼却炉の関連法規などについて解説しています。
産業廃棄物の焼却炉とは、工場や建築現場で生じる木くずや廃プラなどを燃やす炉のうち、①低位発熱量が約2,000kcal/kgの燃焼物を対象で、かつ、②固定床構造またはロストル構造となっている炉を言います。処理量が2t/h超のものは自動投入、2t/h未満のものは二重扉構造となっています。 燃焼方式は多段燃焼構造で、集塵機はスクラバー方式かバグフィルター方式。バグフィルター方式の集塵機の場合には冷却塔が必要となり、通常、誘引ファンで引く矯正通風が採用されています。
産業廃棄物の焼却炉を設置する場合には、都道府県へ許可申請をする必要があります。以下で具体的な産業廃棄物焼却炉の種類をご紹介しますが、これらに該当する焼却炉を設置する際には、「設置工事に着工する前」に都道府県で所定の手続きを行うようにしましょう。
なお、産業廃棄物焼却炉の設置許可申請手続きについては、焼却炉の製造会社で請け負っている場合があります。産業廃棄物焼却炉の設置は専門性の高い分野であることから、もし製造会社で申請手続きを請け負っているならば、製造会社に一連の手続きをお任せしたほうが良いでしょう。 設置基準は各都道府県によって異なり、申請の届出先や問い合わせ先も異なることがあります。また、申請にかかる手数料も都道府県によって異なります。詳細については、都道府県まで直接ご確認ください。
汚泥とは、工場廃水などの処理後に生じる泥状のものや製造業の製造工程で生じる泥状のものの総称。製紙スラッジや下水汚泥などの有機性のものから、浄水場沈殿汚泥や中和沈殿汚泥などの無機性のものまで、すべての汚泥を含みます。 汚泥は、各種工場や各種製造業などを始め、様々な業者から排出されています。 汚泥を焼却する施設は、流動床焼却炉を有する焼却施設など。焼却に際しては、廃掃法などの規制の対象となります。
廃油とは、鉱物性油脂・動物性油脂に関連する全ての廃油のこと。具体的には、潤滑油系廃油や切削油系廃油、洗浄油系廃油などを言います。 廃油を排出する業種は、各種製造業や石油精製業など様々。廃油の種類や量に応じ、雑芥用小型焼却炉で焼却可能なこともあれば、廃油・廃溶剤専焼炉での焼却が必要となることもあります。焼却においては、廃掃法などの規制対象となります。
廃酸とは、全ての酸性廃液のこと。具体的には、無機廃酸(硫酸、塩酸など)や有機廃酸(ギ酸、酢酸など)、アルコール発酵廃液などを言います。ただし、中和処理した際に生じる沈殿物は汚泥に分類されます。 廃酸を排出する業種は、化学・医薬系などを始めとした様々な業種。主な焼却炉として、水冷横型焼却炉などが使用されています。 焼却においては、廃掃法の他、ダイオキシン類特別措置法の規制対象となる場合があります。
廃アルカリとは、全てのアルカリ性廃液のこと。具体的には、洗びん用廃アルカリや石炭廃液、廃灰汁などを言います。ただし、中和処理した際に生じる沈殿物は汚泥に分類されます。 廃アルカリを排出する業種は、化学・医薬系などを始めとした様々な業種。主な焼却炉として、水冷横型焼却炉などが使用されています。 焼却においては、廃掃法の他、ダイオキシン類特別措置法の規制対象となる場合があります。
廃プラスチック類とは、合成高分子系化合物に関連する固形状、また液状の全ての廃プラスチック類のこと。具体的には、廃ポリウレタン、廃スチロール(発泡スチロールを含む)、廃農業用フィルムなどを言います。 廃プラスチック類を排出する業種は、主に各種合成樹脂を使用する製造業など。主に使用される焼却炉は、廃プラスチック類の種類や量などにより水冷焼却炉、廃プラ専焼炉、ガス化燃焼炉などです。 焼却に際しては、廃掃法やダイオキシン類特別措置法の規制対象となります。
ゴムとは、天然ゴムくずのこと。具体的には、切断くずや裁断くず、ゴム引布くずなどを言います。合成ゴムは廃プラスチック類に分類されます。 ゴムを排出する業種は、ゴム製品を取り扱う製造業一般。焼却には水冷式焼却炉などが用いられます。 ゴムの焼却は、ダイオキシン類特別措置法や廃掃法などの規制対象となります。
がれきとは、工作物の新築や改築、除去などに伴って生じた様々な廃材のこと。具体的には、コンクリート破片やレンガ破片、ブロック破片などを言います。ただし、もっぱら土地造成の目的で生じた土砂に準ずるものは除かれます。 がれきを排出する業種は、主に建築業や解体業など。がれきの種類や量などにより、様々な焼却炉が使用されます。 焼却に際しては、廃掃法などの規制対象になります。
金属くずとは、あらゆる金属製のくずのこと。具体的には、鉄くずや空き缶、古鉄、ブリキ、溶接かすなどを言います。 金属くずを排出する業種は、建設業や製造業などを始め、金属を取り扱うあらゆる業種。基本的には、金属専用の焼却施設で処分されます。 焼却に際しては、廃掃法の他、ダイオキシン類特別措置法の対象となる場合があります。
紙くずとは、製紙造業や製本業などの特定業種から排出される紙製のくず、また工作物の新築・改築・除去等に伴って排出される紙製のくずのこと。具体的には、印刷くず、製本くず、裁断くず、建材の包装紙などを言います。 紙くずを排出する主な業種は、パルプ・製紙業や建設業、新聞業、出版業、線本業など。紙くずの量などに応じ、雑芥用小型焼却炉やガス化燃焼炉など、様々な焼却炉が利用されています。
焼却に際しては廃掃法の規制対象となります。
木くずとは、木材製造業などの特定業種から排出される木製のくず、また工作物の新築・改築・除去に伴って排出される木製のくずのこと。具体的には、建築工事から生じた廃木材やおがくず、板切れなどを言います。 木くずを排出する業種は、建設業や木製品の製造業、パルプ製造業、輸入木材の卸売業など。焼却には雑芥用小型焼却炉やガス化燃焼炉などが利用されています。
焼却に際しては廃掃法の規制対象となります。
繊維くずとは、繊維工場から排出される繊維製のくず、また工作物の新築・改築・除去に伴って排出される繊維製のくずのこと。具体的には、木綿くずや羊毛くず、麻くず、糸くずなどを言います。 繊維くずを排出する業種は、繊維業や建設業など。焼却には雑芥用小型焼却炉やガス化燃焼炉などが用いられています。
焼却に際しては廃掃法の規制対象となります。
動植物系残さとは、食品製造業や医薬品製造業などから排出される動物・植物性の固形状の不要物のこと。具体的には、魚・獣の骨や内蔵、しょうゆかす、酒かすなどを言います。 動植物系残さを排出する業種は、主に食品製造業や医薬品製造業、香料製造業など。焼却には水冷焼却炉や小動物焼却炉などが用いられています。
焼却に際しては廃掃法の規制対象となります。
動物系固形不要物とは、と蓄場においてとさつ・解体した獣蓄に関連する固形状の不要物、また食鳥処理した食鳥に関連する固形状の不要物のことを言います。 動物系固形不要物を排出する業種は、と畜業や食鳥処理業など。焼却には小動物焼却炉などが用いられます。
焼却に際しては廃掃法の規制対象となります。
産業廃棄物の焼却炉を導入する場合には、自社の業種や廃棄物の種類、設置業者の実績や取り扱い製品の種類など、様々な視点から設置業者を決めることが大切です。当サイトでは、業務用焼却炉を取り扱っている業者を特徴別でご紹介していますので、ぜひ御社の焼却炉選びの参考にしていただければ幸いです。
「どこで購入しても一緒でしょ」という考えで購入を検討すると高い確率でミスします。購入するには取り扱いのプロにしっかりと相談しましょう。
昨今のエコロジー対策など、焼却炉を設置したい!と考えていても色々とクリアしていかなくていけない課題はいくつかあります。
しっかりと焼却炉に関する知識をもっていないと法律に触れる場合もあり、せっかく購入しても宝の持ち腐れになることもありますので注意が必要です。
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